■目次
1. なぜ仕事が覚えられない?
1-1興味が無いことに集中力が続かない
1-2 新しいことをはじめてしまう
2. 仕事を覚えるコツ
2-1 仕事は順番に
2-2 コンピュータとADHDの性質は似ている?
2-3 手順を書き出しレ点でチェック
■本文
1 なぜ仕事が覚えられない?
1-1興味が無いことに集中力が続かない
ADHDの方が仕事を覚えられない原因の一つとして、
興味があることに対しては、
素晴らしい集中力で仕事を進めることができるのに対して、
興味がないことに対しては、気が散ってしまい、
まったく集中できないという問題があります。
仕事は必ずしも好きなことや
興味があることばかりではありません。
興味のない仕事でも進めなければなりません。
なかなか仕事が覚えられずに、
ミスばかり繰り返し、
同僚から置いてきぼりにされてしまい、
職場にいづらくなる・・・。
そんな立場に追い込まれてしまいます。
1-2 新しいことをはじめてしまう
もう一つの原因として、
多動性と呼ばれる性質があります。
この多動性は貧乏ゆすりなど、
目に見える症状をもつ方もいるのですが、
年齢が上がるにつれて、
身体的な行動は薄れてゆく人が多いようです。
一方で、思考にまとまりがなく、
次々に新しいことを思いついてしまい、
一つのことを継続して続けられない特徴が現れます。
今、進めている作業とは
まったく関係のないことを考えてしまったり、
新しいアイディアが閃いてしまうなど、
同じことに意識を向けられずに仕事が覚えられないのです。
1. 仕事を覚えるコツ
2-1 仕事は順番に
ADHDの方が仕事を覚えられない原因は、
「集中力が続かない」ことと
「一つのことを継続できない」ことです。
では、どうすれば解決するのでしょうか?
その答えは、案外、簡単です。
「集中力が続かない」「継続できない」。
この2つを分かりやすくいえば、
仕事の順序が守れないということです。
自分の興味に従って、
どんどんと順番が変わってしまいます。
だから、1つ1つ仕事を
解決することができずに、
覚えられないのです。
家を建てるために、土台を疎かにして、
壁から建て始めるようなもの。
これでは、すぐに家は傾いてしまいますね。
解決方法は、
「仕事の順序を守る」ことを意識することです。
2-2 コンピュータとADHDの性質は似ている?
ADHDの方に向いている職業の一つに
コンピュータプログラマーがあります。
ADHDは、知的障害ではなく、
普通か、普通の人以上の知能があります。
ただし、考え方や、やり方にクセがあるため、
それが職場の上司や同僚に受け入れられずに
つらい思いをしているに過ぎません。
一方で、コンピュータプログラマーは、
一種の手順書を書く仕事です。
指示したい作業手順を
コンピュータ・プログラムとして入力し、
その指示内容をもとにコンピュータを動かします。
そうなんです。
コンピュータって、
そもそも指示や手順を明確にしなければ、
動作することができないんです。
つまり、仕事の順序が守れないADHDの方と同じで、
予め手順を整理してあげる必要があるのです。
上手にコンピュータ・プログラムを理解することは、
ADHDでも上手に仕事を進めるヒントになるのです。
2-3 手順を書き出しレ点でチェック
実は、コンピュータの動作は、
ADHDの方と近しいものがあると書きました。
これは決してネガティブなことではなく、
裏を返せば、コンピュータにやらせていることを
自分で実践すれば良いだけです。
最初に仕事の手順を書き出す。
そして、全体の手順を掴んだら、
一つ一つ実行してゆきましょう。
完了した手順はレ点をつけます。
こうすることで、どこまで終わっていて、
これからどれだけしなければならないのかが
見えるようになります。
なお、手順の順序は変えてはいけません。
レ点でチェックしたら、
必ず次の課題に挑戦するようにします。
順序を変えたり、後回しにしてしまうと、
せっかく手順書を作ったのに
意味がなくなってしまうからです。
そして、手順書の最後までレ点がついたとき・・・・
その仕事を振り返ってみてください。
恐らく、これまで経験したことのないスピードで、
かつ、正確に覚えられていることでしょう。
工夫一つで、これほどまでに
簡単に仕事を覚えることができるのです。