■目次
1 ADHDはなぜ嫌われる?
1-1 嫌われる原因
1-2 失敗の経験が本人を苦しめる
2 職場で良好な人間関係を築くために
2-1 個性と認めること
2-2 先回りの精神
■本文
1 ADHDはなぜ嫌われる?
1-1 嫌われる原因
ADHDの方をもっとも苦しめるのは職場での人間関係です。
本人にはまったく悪気がなく、
性格にも大きな欠点はないのに、
周囲から嫌われてしまったり、
居心地の悪さを感じてしまいます。
なぜ、ADHDというだけで嫌われてしまうのでしょうか?
その原因の一つは、
「空気を読むことの難しさ」です。
決して、知能が遅れている訳ではありませんし、
まったく他人の気持ちが
理解できない訳ではありません。
しかし、思ったことをすぐに口にしてしまったり、
言い方を工夫せずに、頭に浮かんだ通りのことを
ズバッと口にしてしまい、周囲から
「空気が読めない人」という評価を受けてしまうのです。
二つ目の原因が、仕事の遅さとミスの多さです。
仕事ができないわけではないのに、
仕事のスピードが遅く、
他人の何倍もの時間がかかったり、
注意すれば気がつく些細なミスを繰り返してしまう。
結果として、同僚の手間が増えてしまい、
面倒な人という印象を与えてしまうことにつながるのです。
1-2 失敗の経験が本人を苦しめる
さらに厄介な問題があります。
それは、過去に同僚や上司から嫌われてしまい、
苦い経験をした経験があると、
また人間関係に失敗してしまうのではないか
という恐怖心が心を支配してしまいます。
すると、何をするにも、
何を話すにも、不安を感じてしまい、
余計に不器用になってしまいます。
不器用であること自体は悪いことではありません。
しかし、自分自身で思い込んでしまうことで、
周囲からも「不器用な人」という評価を
されてしまうことにつながります。
つまり、自分で「不器用な人」を演じてしまうのです。
これはADHDの副作用に近いものですが、
本人をさらに苦しめてしまう原因になるのです。
2 職場で良好な人間関係を築くために
2-1 個性と認めること
ADHDであること。
それは、一種の個性のようなものです。
確かに、ADHDは相手に嫌われやすい話し方をしたり、
周囲の協力を得なければいけない場面が多く、
嫌われやすい側面は否定しません。
しかし、それをネガティブに捉えすぎてしまうと
自分が苦しいだけでなく、
解決するための糸口を閉ざしてしまうことにつながります。
そうではなく、あくまで自分の個性であって、
面白い性格であると考えてみましょう。
不器用であることをネガティブに
受け取ってしまうと性格も暗くなってしまいます。
しかし不器用を
おっちょこちょいの可愛らしい性格であると信じることで、
周りにも好印象を与えることができます。
自分で思ったこと感じたことは、
他人に伝わるものです。
ADHDの性質を個性と受け止めて、
明るく過ごすこと。
これが、人間関係を良好に保つための秘訣なのです。
2-2 先回りの精神
そうは言っても、ADHDが治らない限り、
仕事でミスをしたり、不用意な発言で
嫌われてしまうのではないかと不安になるでしょう。
そのような時は、「飴ちゃん」の精神を心がけることです。
「飴ちゃん」とは、大阪の女性に浸透している
人間関係を良好に保つためのテクニックです。
お昼時や午後の眠くなる時間帯に、
飴の袋を机に忍ばせておいて、
周囲の同僚に「飴ちゃんね」と言って配るのです。
なんだ、そんなことか・・・と思うかもしれません。
しかし、不思議なもので、
これだけで人間関係は良好に保つことができるのです。
少し、甘いものが欲しいな・・・。
ちょっぴり眠い。そんなタイミングで、
サッと甘いものが出てくる。
人は、先回りして気配りしてもらうと、
相手が不器用な人間でも好感をもつものです。
仕事が上手くいかなくても、
ちょっとした気遣いを忘れず、
先回りして心配りをする癖を身につければ、
たとえADHDであっても嫌われずに済むことができます。
それを心に留めておきたいものです。