仕事でケアレスミスが多いのは、辛い悩みですよね。
「つい」「うっかり」ミスが多いのは、不注意優勢型ADHDの特徴です。
私も経験があるので、わかります。
何をしてもミスばかりで、仕事がイヤになってしまうことが何度もありました。
そこで私の経験を踏まえて、ケアレスミスへの対策をご紹介します。
無理せず、できるところから始めてみてくださいね。
ADHDの特徴や症状のまとめを作りました。こちらも合わせてどうぞ。↓
1.ケアレスミスが多い原因
2.思い込みで行動してミスをする
3.指示を忘れたので、ケアレスミスをする
4.指示の聞き間違いでミスをする
4-1.耳で聞くよりも、目で見て確認する
4-2.シミュレーションをする
まとめ
ケアレスミスは、ミスが起きる理由がいくつもあります。
たとえば……
- 指示を忘れたので、ケアレスミスをする
- 思い込みで行動してミスをする
- 文章を読み飛ばしたので、ケアレスミスをする
- 言われたことが理解できないので、自分流で行動してミスをする
- 聞き間違いをしたのでミスをする
- 頭が働いていないときに行動して、ミスをする
このように、ケアレスミスは原因がいくつもあり、いつどの原因でミスをするかわかりません。
その結果、常にミスを心配するようになって、マイナス思考に陥ってしまいます。
そして注意をしているのに、ケアレスミスをしてしまうことが起きます。
ですから、常日頃から行動の一部に対策を組み込んで、習慣化することがミスをなくす第一歩になります。
思い込みとは……ある考え方に執着し、合理的な推定の域を超えていること。
Wikipediaから引用
思い込みの問題点とは強く信じすぎてしまうために、問題になるところですね。
人の言ったことを思い込んでしまうと、誰かに間違いを指摘されるか、ミスをするまで気付けません。
そのため、思い込んで間違えそうなところを、あらかじめ対策することが必要です。
例を挙げます。
たとえば、あなたが仕事をしているときに『あの書類を直しておいて』という指示があったとします。
このとき、思い込みを起こさないためにする質問はこちらです。
- ”あの書類”とは、どの書類のことを言っているのか?
- 書類を直してと言われたが、どのように直すのか?
- 書類をいつまでに直すのか?
- 書類を直す手順はわかっているのか?
- 書類の訂正する箇所は、自分が考えている箇所と合っているのか?
もし、ひとつでも思い当たる節があれば、質問して事前にミスを防ぎましょう。
あの、それ、いつもの…など”あいまい”な言葉を、ちゃんと聞き直すクセがつけば間違えるポイントがなくなります。
また、指示内容を「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように」という5W1Hの見方で整理すると、誤解が減ります。
5W1Hとは……情報伝達のポイントのこと。5W1Hにあたる内容を相手に伝えるようにすると、情報をわかりやすくできる。
コトバンクから引用
ためしに、先程の疑問点を5W1Hに照らし合わせます。
- ”あの書類”とは、どの書類のことを言っているのか?→なにを
- 書類を直してと言われたが、どのように直すのか?→どのように
- 書類をいつまでに直すのか?→いつ
- 書類を直す手順はわかっているのか?→どのように
- 書類の訂正する箇所は、自分が考えている箇所と合っているのか?→なにを
このように指示内容を5W1Hで整理してから、理解できていないところを聞いてみてください。
そうすれば、思い込みが起こる前に疑問を解消することができ、ミスは減らせます。
指示されたことをメモができる状況ならば、メモをすることが必要です。
それと質問をして聞き直すことが大切です。
時間が経ってから「聞き直すことが怖い」と思っても、聞き直してください。
指示を忘れた方が、重大な問題につながることが多いので、聞き直した方が結果的に問題になりにくいです。
ただし、職場の上司などに聞き直すときに指示内容を全部聞き直すと、印象が良くないです。
と怒られます。
怒られないためには、指示内容の一部を聞き直すように意識することです。
相手が言ったことの”ここだけ”わからないという聞き方をするのです。
たとえば「今日の15時30分に東京駅に集合して」という指示を受けたとします。
このとき、何時に集合するのかだけ忘れてしまったら、「今日は東京駅へ何時に行けば良いですか?」と聞き直すのです。
または「今日の予定ですが、何時に集合するのか時間だけ忘れてしまったので、教えてください」と質問しても良いです。
そうすれば、話を聞き直された側も、「ああ、集合時間だけわからないんだな」と思って教えてくれます。
話をまるごと聞いていなかったという印象にはなりません。
指示を忘れた場合のポイント
話を聞き直すときは、”ここだけわからない”という聞き方をしよう。
聞き間違いというのは、APD(聴覚情報処理障害)という障害が起きている可能性がある症状です。
APDを簡単にいうと、相手の話す言葉を覚えることが苦手になる障害です。
しかも、この障害は身体検査で耳に問題がない人にも、起こりうる障害になります。
APD当事者の具体的な悩みとしては
- 言葉自体がよく聞き取れなくて、相手の言っていることがわからない
- 言っていることは聞き取れるけど、言っていることの意味がわからない
- 言葉の意味を間違えてしまう
こういった症状があります。
あなたは、心あたりがありますか?
「もしかしたら……」と思うことがあれば、APD(聴覚情報処理障害)かもしれません。
指示内容を覚えているうちにメモにして、視覚情報から頭に入れるようにします。
メモをとることが苦手であっても、それ以上に耳で聞いたことをずっと覚えるのが困難なことが多いです。
ADHDの人は、耳で聞くよりも目で見ることが得意な方が多いので、一度検討してほしいやり方です。
何度も同じ内容の聞き間違いをしている場合は、経験にして身体で覚えるという方法があります。
たとえば、お菓子のケーキを作ってくださいという指示があったとします。
ケーキは色んな材料が必要になりますよね。
小麦粉だったり、砂糖だったり、ベーキングパウダーだったり……これを一度で覚えるのは難しいです。
仕事であっても、何度も確認してしまいます。小麦粉の重さと粉砂糖の重さを、聞き間違えてしまうかもしれません。
ですから、このような場合は何度もシミュレーションして、身体に覚えさせます。
最初はメモを見ながらやってみます。最初にやることを覚えたら、次の工程までをメモなしでやってみます。
一つずつ着実に覚えていくことで、全体像をだんだん理解できていきます。
この方法は習得までに時間がかかりますが、間違いがだんだん減りますし、作業スピードが早くなります。
しかし、シミュレーションをするときに、気をつけたいポイントがあります。
落ち着いた環境で、実物を使いながら練習する。
ADHDは気が散りやすいので、他人が近くにいると集中力がなくなります。
そのため、自分1人でいるタイミングで、シミュレーションすると覚えやすくなります。
しかし、イメージする力が弱い場合は、実物を使って練習するといいです。
説明書を読むだけや、頭の中でシミュレーションをしているだけだと、100%の再現はできません。
実際にモノを触ったときに『あれ、思っていたのと違う……』となることがあるからです。
ですからシミュレーションは、実際のモノを使ってやるのがオススメです。
そして、シミュレーションをしたら理解ができているかを確認することが必要です。
頭にインプットをした後、正しくアウトプットできているかを確認しないと再びミスをしてしまうからです。
先ほどのケーキ作りの例で言うならば……
メモを見ながらケーキ作りのシミュレーションをする。
↓
メモを見ないでシミュレーションをしてみて、手順は間違っていないか、理解があいまいなところはないかを確認する。
という流れでミスをなくしましょう。
なので、この2つを合わせて実践してみてくださいね。
シミュレーションをする→ちゃんとできるか確認する
今回は多くのことを紹介しましたが、一度に全部の対策をやろうとしなくていいです。
ADHDは変化に弱く、いざ改善しようとすると心身が疲れてしまうからです。
そのため、一つずつ着実に改善できてから、次に進もうと考えた方が続けやすくなります。
『なんで、こんなに面倒なことをしないといけないの……』と思って、改善行動が続かないこともよくあります。
そこで、覚えておいてほしいことがあります。
改善行動が続かないことがあっても、全部の改善を1度にできなくても、問題ないということです。
改善行動は自分の意思でやることなので、個人のペースを優先することが一番です。
誰かに追い立てられるように、”改善しなくてはいけない”と思っても続きません。
むしろ1ヶ月に1つの改善でもいいので、改善した経験を積み上げることが大切だと思います。
無理せず、ちょっとずつケアレスミスの対策をやってみてくださいね。