職場で嘘が多いと言われる?ADHDでも嘘をついてしまうのはこんな時

■目次
1 ADHDの人が嘘をつく?
1-1 すぐに見破られる嘘をつく
1-2 嘘をつく原因はADHDではない
1-3 常に批判にさらされやすいADHD
1-4 アスペルガー症候群との境界型
2 嘘をつく癖の改善方法
2-1 自覚している場合
2-2 自覚がない場合

■本文
1 ADHDの人が嘘をつく?

1-1 すぐに見破られる嘘をつく

もともと、ADHDの方は、
注意散漫でミスが多く、
上司や同僚から怒られることが多々あります。

そのため、咄嗟に取り繕う癖がついている方がいるのです。

誰でも見破ることができる分かりやすい嘘であることが多く、
ADHD=嘘をつく印象を持たれてしまいます。

実は、ADHD=嘘つきであること。

これは、半分は正しく、
半分は正しくありません。

ADHDと嘘をついてしまう関係について
詳しくご説明したいと思います。

1-2 嘘をつく原因はADHDではない

実は、ADHDには嘘をつく、
または嘘をつきやすいといった症状はありません。

どちらかといえば、
仕事を上手に進められずに完成させられない、
注意散漫でミスが多いなどです。

コミュニケーション上の問題よりは、
仕事は頑張っているけれど
「不器用」な傾向が強いのがADHDです。

一方で、ADHDの方で上司や同僚から
「嘘が多い」と受け止められてしまう方の多くが、
ADHD以外に原因があります。

大きく分けて原因は2つあり、
その1つ目は過去の辛い経験から
反射的に嘘をついてしまうパターンです。

1-3 常に批判にさらされやすいADHD

仕事を器用に進めることができないために、
仕事の処理速度が遅く、ミスも多いADHD。

加えて、相手の話を理解するまでに時間がかかるため、
周囲から「仕事ができない人」といった評価を受けやすく、
職場で叱責されたり、
批判にさらされることが多いのも特徴の一つです。

これらの体験は、心に「仕事=辛い」
という負のイメージを蓄積しやすく、
ちょっとしたミスでも、
自分自身を守ってしまう癖がついてしまいます。

ほとんど、条件反射といってもよい心理状態です。

これにより、さらに周囲の評判を下げてしまう
負の連鎖に陥っている方が多いのです。

1-4 アスペルガー症候群との境界型

他にもアスペルガー症候群の特徴をもつ方もいます。

アスペルガー症候群とは、
自閉症の一種で、独特な
コミュニケーションをしてしまう特徴があります。

アスペルガー症候群には二次障害として
「解離性障害」と呼ばれる
症状を併発する場合があります。

解離性障害とは、夢と現実の境界が曖昧で、
現実の出来事が、まるで夢の中の
出来事のような不思議な感覚を
もってしまう障害です。

本人は嘘をついている自覚はなく、
頭に浮かんだことを
まるで現実のことのように話してしまうため、
周囲から嘘をついていると言われてしまいます。

注意したいことは、発達障害全般として、
明確に病名を区別することが難しく、
ADHDの方でもアスペルガー症候群や
解離性障害の症状が現れてしまうことがあります。

発達障害は、ADHDの傾向が強いのか、
別の障害の傾向が強いのかの違いはあるものの、
その境界をさまよう方が多いのが実際です。

2 嘘をつく癖の改善方法

2-1 自覚している場合

ADHDの方が嘘をついてしまう原因についてお話ししました。

最初にご紹介した
「過去の辛い経験から反射的に嘘をついてしまう」
パターンの場合は、
嘘をついている本人も自覚があるものです。

しかし、自分の心を守るために
「反射的に」嘘をついているため、
なかなか直せません。

この場合は、嘘をついてしまう
自分の性格を直す必要はありません。

嘘をつく自分を無理に直すことは、
それこそ、自分の気持ちに嘘をついているだけで、
余計にストレスを溜めてしまう原因になるからです。

それよりも、嘘をついてしまった時に
上手に対処できる方がよいでしょう。

例えば、反射的に嘘をついてしまった場合は、
「私、話を誇張しちゃう癖があるから、ごめんねー」
などと、すぐに謝る癖を身につけておきましょう。

自分から謝れば、周囲も批判しなくなります。

2-2 自覚がない場合

自分自身に嘘をついている自覚がないにも関わらず、
「よく嘘をつくよね」と周囲から言われてしまう・・・。

このような場合は、職場の同僚や仕事の関係者ではなく、
家族や親しい友人に、普段、
自分がどのようなコミュニケーションをしているのか?
を聞いてみましょう。

もし、本当に家族や友人が、
あなたに対して嘘をつく傾向を感じているのであれば、
その事実を医師と相談しつつ、
職場の上司に相談します。

相談相手はあくまで上司。

同僚ではないことに注意してください。

自分の症状を周囲の同僚や他部署の人、
取引先に理解してもらうために
どうすればよいのかを相談しましょう。

上司の力を借りて、自分が活躍できる環境を
用意してもらうことが必要です。